平成27年2月19日 代表質問に登壇いたしました。

杉山信雄議員_代表質問

 

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以下質問要旨 (+をクリックすると詳細が開きます。)

1 知事の政治姿勢について

(1) 任期を振り返っての所感について
 4年前、知事にあっては、極めて短時間の中で知事選への出馬を決断し、なおかつ未曾有の大災害となった東日本大震災の直後の混乱の中で選挙を戦い、県民の期待を背負って知事に就任された。  太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーの導入を促進し、いのち輝くマグネット神奈川という目標のもと、県民のいのちに直結する諸事業を積極果敢に進められた。また、経済のエンジンを回すという観点では、ヘルスケア・ニューフロンティアに関する諸施策の推進を始め、さがみロボット産業特区や国家戦略特区の指定を受けるなど未来に向けた成長戦略の基盤づくりに大きな成果を上げた。

一方、大きな変化を伴う政策を前にしたとき、将来に不安を持つ者がいることも事実であり、この四年間を振り返ると、大いに評価されるべき点が多いものの、さらに一層努力をされたい面もある。 そこで、神奈川県知事として務めてきたこの四年間を振り返り、どのように総括し、評価するのか伺いたい。

(知事答弁)

杉山議員のご質問に順次お答えしてまいります。 私の政治姿勢について何点かお尋ねがありました。 まず、任期を振り返っての所感についてです。 私が、あの未曾有の大震災直後に知事に就任してから、間もなく4年が経とうとしています。 振り返りますと、就任後に訪れた被災地の状況を目の当たりにして、日本復活のモデルを神奈川で示したい、それこそが私の知事としてのミッションだと強く感じたことがつい昨日のように思い出されます。 以来、「いのち輝くマグネット神奈川」の旗印の下、県民の皆様との対話や議会での議論を重 ねながら、その実現に全身全霊を傾けてきました。 真っ先に取り組まなければいけないと感じた新たなエネルギー体系の構築については、「かな がわソーラーバンクシステム」や「屋根貸し」といった神奈川発の先進的な取組みにより、太陽光発電の普及の流れをリードし、導入拡大を図ってきました。 これにより、大規模発電所を中心とした集中型電源から、再生可能エネルギー等を活用した 分散型電源への転換の歩みは、着実に進んでいると認識しています。 もう一つ、先進国の共通の課題である超高齢社会への対応については、世界のモデルとなる 取組み「ヘルスケア・ニューフロンティア」を強力に推進し、世界に発信し続けてきました。 昨年5月には、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」と「さがみロボット産業特区」に加えて、県全域が国家戦略特区に指定され、取組みに大きな弾みがつきました。 現在、この3つの特区を最大限活用して、最先端医療・最新技術の追求や未病を治す取組み、 介護・医療など生活支援ロボットの実用化などを積極的に進めているところです。 この4年間、このようにして全力で取り組んできた結果、神奈川では今、さまざまな分野に おいて、新たな時代を切り開く大きなうねりが生まれてきていると実感しています。 神奈川から日本復活のモデルを示し、成長戦略を引っ張っていく、そうした基盤づくりをし っかりと進めることができたと自負しているところです。

(再質問)

それでは、「任期を振り返っての所感について」、再質問をさせていただきます。 ただ今黒岩知事よりこの四年間の総括を伺いました。 その中で、成長戦略の基盤づくりを進めることができたとのお話がありました。確かに三つの特区による本県経済の再生はその種を蒔くことができました。 まさにこれから芽を吹かせ、そして、やがて果実を採れるよう、更なる取り組みが重要であると考えます。任期の終わりを迎えるにあたり、知事の再選、つまり二期目の立候補について、ここではっきりと知事のお考えをお示し頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

(知事答弁)

ご指摘のとおり、これまでの4年間で3つの特区を勝ち取り、神奈川の進むべき道がはっきりと見えてきたと思います。 私は今、これまでつくってきた流れをしっかりと軌道に乗せて、成長戦略を神奈川から実現したいと強くそう思っています。 それが私に課せられた責務だと、その思いを強くしているところです。 経済のエンジンは神奈川から回していく。そのために、来る4月の県知事選挙に立候補することを決意いたしました。

(再々質問)

ただ今知事から力強い立候補の表明を頂きました。 ただ、大切なことは何をなすために再選を目指すのか、ということだと思います。 知事は再選を目指すことにおいて、何を県民に約束し、何を実現しようとするのか、ここで議会にお示し頂きたいと思いますがいかがでしょうか。

(知事答弁)

再選を目指すにあたりまして、引き続き「いのち輝くマグネット神奈川」、これを実現するよう全力を注ぎたいと思っているところであります。これまでのように、県民の皆様の意見にしっかりと耳を傾けながら、対話型でこれを前進させていきたい。一つひとつ具体的な形にしていきたい、とそのように思っております。 例えば、エネルギーやヘルスケアの分野におきましては「かながわスマートエネルギー計画」、「ヘルスケア・ニューフロンティア」、こういった取組みを着実に推進しまして、分散型エネルギー社会、また健康長寿社会が実現したなと皆様が実感できるような形に、なんとしても作り上げていきたいと思っております。また、「新たな観光の核づくり」、「県西地域活性化プロジェクト」など地域が元気になる政策も何とか結実させて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、それがしっかりとした形になっているといったことを、是非目指していきたいと考えております。 課題を乗り越えながら、そしてそのプロセスそのものが成長戦略なんだ、それが経済のエンジンを回すことになるんだという思いで、しっかりと神奈川からの経済のエンジンを回しながら課題を解決していく、そんなモデルを作っていきたいと思うところであります。

(要望)

ただ今、黒岩知事の再選出馬表明、そして主な政策と熱い思い、これをお聞きすることができました。特に「新たな観光の核づくり」、「観光」という漢字は、「観る」、そして「光る」という字であります。まさしく5年後、10年後の光り輝く神奈川の姿を見に来ていただく多くの方が本県に訪れるわけです。是非、頑張っていただきたい。

一言申し上げます。 成長戦略に係る知事の政策は、我が自民党政権が掲げる成長戦略と合致したものであると受け止めております。 従いまして、我々自民党神奈川県議団は、この知事の姿勢と政策を大いに期待し、エールを送りたいと思います。

(2)かながわグランドデザインの成果について
  かながわグランドデザインの成果について 総合計画である「かながわグランドデザイン」の実施計画は、計画期間が平成24年度から26年度までの3年間であり、今まさに総仕上げの時期を迎えている。県では、計画を着実に推進し、進行管理を行っていくために、実施計画に示した施策の実施について、毎年度、政策評価を行い、その評価に基づき政策運営を図っている。 計画の最終年度にあたる今年度においては、毎年度の評価も踏まえて、3年間の総点検を行うこととし、点検報告書の素案をまとめ、その後、県民意見の募集を行い、現在報告書の最終案の取りまとめに向け、鋭意作業を進めているところである。 そこで、知事自身は、県の総合計画である「かながわグランドデザイン」に基づく、これまでの3年間の取組について、現時点でどのように分析し、総括しているのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、「かながわグランドデザイン」の成果についてです。

「かながわグランドデザイン」は、「いのち輝くマグネット神奈川」を基本目標に掲げ、その実現に向けて、3年間に取り組むべき政策を実施計画としてお示ししたものです。

政策の推進にあたっては、3年間という限られた期間の中で、最大限の効果をあげられるよう様々な工夫を行いました。

まず、生じた課題に全庁横断的に対応するため、クロスファンクション体制を整備するとともに、年間を通じ随時に政策レビューを行い、政策を速やかに予算につなげる仕組みを導入するなど、計画を実現するための政策形成プロセスを見直しました。

また、対話の広場を通じて、県の課題について県民と率直な意見交換を重ね、企業や大学、市町村などとも、多くの事業について協働連携し、県民総力戦で実施計画に掲げるプロジェクトを推進してきました。

その結果、例えば、県民の「いのち」に直結するプロジェクトでは、看護師養成に力を入れる改革を進め、その増加数を全国一としたほか、国内最高規模のシェイクアウトやビッグレスキューなどを実施して、県民の防災意識の向上を図りました。

また、神奈川のポテンシャルを生かした活力を創出するプロジェクトにおいては、横浜・鎌倉・箱根に次ぐ新たな観光の核づくりや海外でのトップセールスにより、国内外からの観光客の増加を実現しました。

さらに、ライフサイエンス関連などの最先端産業の集積を図り、本県の成長戦略の実現に向けて、経済のエンジンを回す基盤を構築することもできたと考えています。

こうした実施計画の推進を通じて、ロボット特区や全県を対象とする国家戦略特区、そしてヘルスケア・ニューフロンティアや県西地域活性化プロジェクトといった大きな政策にも結実してきました。

もちろん、全ての課題を解決できたわけではなく、今後も取り組むべき課題はありますが、実施計画に掲げている個々のプロジェクトを見れば、いずれも一定の成果が見られるところであり、計画期間3年間を通じて概ね順調に進捗したと考えています。

(3)地方創生への対応について

昨年11月、人口減少と東京一極集中の是正を目的とした、まち・ひと・しごと創生法が制定され、12月末には人口の現状と将来の展望を提示する国の「長期ビジョン」と今後5ヵ年の政府の方向性を提示する国の「総合戦略」が閣議決定された。これを受けて、都道府県や市町村では、地方における人口の現状と将来の展望を提示する「地方人口ビジョン」と地域の実情に応じた今後5ヵ年の施策の方向性を提示する「地方版総合戦略」の策定を求められている。

「地方創生・人口減少問題」は、本県においても正面から取り組むべき課題であり、今まさに知事の本気度が問われているのではないかと考える。

そこで、この地方創生について、県としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、知事の決意と併せて見解を伺いたい。

【知事答弁】

次に、地方創生への対応についてです。

昨年11月に成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、年末には国の「長期ビジョン」と「総合戦略」が閣議決定され、国と地方をあげての地方創生・人口減少問題対策が動き始めました。

この対策の基本的な考え方として「東京圏への人口の過度の集中の是正」があげられていますが、問題なのは「東京都」への一極集中であり、地方創生においては、「神奈川も地方だ」という認識が必要です。

本県では、県西地域と三浦半島地域で既に人口減少が進んでいますし、全国を上回るペースで高齢化が進んで行きますので、全県挙げて、危機感を持って早急な対策を講じていかなければなりません。

私は、神奈川の地方創生とは、まさに「いのち輝くマグネット神奈川」を実現することだと考えています。

超高齢社会を力強く乗り越える「神奈川モデル」を作り、世界に発信していくこと、それにより経済のエンジンを回すこと、「子どもを産むなら神奈川」「子どもを育てるなら神奈川」を進めること。これらにより、「いのち輝く神奈川」をかたちにしていきます。

また、「地域らしさ」に徹底的にこだわり、地域が自らの魅力は何なのかを考え、ヒト・モノ・カネを地域に引きつける「マグネット神奈川」をめざします。こうした地方創生を実現するためには、とにかく地域が「本気」で、「一枚岩」になって取り組むことが必要です。

そのために、まずは市町村と連携して、「地域らしさ」に合わせた目標を定めてまいります。

そして、神奈川ならではの「長期ビジョン」と「総合戦略」をまとめて、県民総ぐるみで地方創生を進めてまいります。

また、このたび、国の補正予算により総合戦略の「先行型」として交付金が措置されることになりました。

この対応としましては、まずは、既に人口減少が始まっている県西地域と三浦半島地域への対策や新たな観光の核づくり事業を重点的に進めるとともに、結婚から出産、子育てまでの切れ目ない対策に、市町村と連携して取り組んでいくことを考えています。

この施策に対応する補正予算については、今後、追加提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。

(4)行政改革の取組について

本県では、県政をとりまく環境の変化に的確に対応しながら、質の高い行政サービスを実現するため、平成24年3月に、平成24年度から26年度までの3年間を対象とした「新たな行政改革の指針」を策定し、また、この間、本県の危機的な財政状況を契機として、「神奈川県緊急財政対策」を取りまとめ、財源不足の解消に向け、集中的に取り組んできた。

今年度は、本指針の取組期間の最終年度となることから、3年間の取組や成果について点検が実施されているが、行政改革は不断の取組が必要であり、今後も、このような点検を通じて把握できた課題への対応をしっかり図っていくことが重要である。

そこで、点検結果を踏まえ、この3年間の行政改革について、総合的に見てどのように評価しているのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)
次に、行政改革の取組についてです。
本県は、平成24年3月に「新たな行政改革の指針」を策定し、無駄のない行政運営の徹底や、簡素で効率的な執行体制づくり、財政の強化・安定などの行政改革に取り組んできました。
また、その間、危機的な財政状況を契機として、県議会の皆様のご協力もいただきながら、「緊急財政対策」に重点的に取り組んできたところです。
その結果、組織執行体制の面では、指針の取組期間の3年間で、職員数を213名削減したほか、出先機関を15機関廃止するなど、かなりのレベルまでスリム化を進めてきました。
また、財政面でも、施策・事業の見直しや、不用県有財産の積極的な売却、さらに職員給与カットなどにより、25、26年度に見込まれた1,600億円の財源不足を解消することができました。
このように、3年間の行政改革は、概ね成果をあげることができたものと認識しています。
現在、本県が直面している超高齢社会や少子化といった喫緊の課題に対応するためには、不断の行政改革に、引き続き取り組んでいくことが必要です。
とりわけ、ICTの活用などにより業務の進め方を見直し、時間や人員といった限られた資源の有効活用を推し進めていくことが求められています。
また、自由闊達な議論ができる組織づくりなどを通じて、職員一人ひとりが能力を最大限発揮できるような質の高い組織をめざす改革が必要です。
今後は、成長戦略の実現に向けて、神奈川から経済のエンジンを回していくためにも、安定した行財政基盤の確立とともに、質の面からの行政改革を推し進めることが重要であると考えています。

(5)県税収入見通しと当初予算編成の考え方について

最近のわが国の経済情勢は、27年3月期の企業収益について、前期比2%程度の増益が予測されているほか、雇用・所得環境も改善が見られ、景気の緩やかな回復基調が続いていることから、県税収入を取り巻く環境は以前に比べ明るくなってきている。

このような中で編成された平成27年度当初予算は、総額1兆9,495億円と骨格予算であるにもかかわらず、過去最高の規模となっているが、その編成過程では、550億円の財源不足からスタートする大変厳しい予算編成であったと推察する。

そこで、平成27年度の県税収入について、26年度当初予算額を大きく上回る1兆2,057億円を当初予算案に計上しているが、税制改正の動向なども踏まえて、どのように県税収入を見込んだのか伺いたい。また、任期4年間で最後の予算編成となる27年度当初予算について、どのような考え方で編成されたのか、併せて見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、県税収入見通しと当初予算編成の考え方についてお尋ねがありました。
はじめに、平成27年度の県税収入の見通しについてです。
まず、税収規模が最大の個人県民税は、景気が回復基調にあることから、前年度に対し、148億円の増収を見込んでいます。
また、法人事業税については、国税である地方法人特別税からの一部復元などにより、前年度を244億円上回るものと見込んでいます。
さらに、地方消費税についても、26年4月の税率引上げの影響がほぼ平年度化することなどから、938億円の大幅な増収を見込みました。
このように、27年度の県税収入は、税制改正による増が大きく寄与し、主要な税目で増収が見込めることから、前年度を大きく上回る、1兆2,057億円を計上しました。
この県税収入に、地方譲与税などを加えた実質的な税収額は、26年度当初予算額を1,038億円上回る1兆3,270億円となったところです。
次に、平成27年度の当初予算編成の考え方についてです。
27年度当初予算は、本年4月に知事選挙がありますので、骨格予算として編成しました。
こうした中にあっても、県民の安全・安心の確保や、新たな子ども・子育て支援制度などにしっかりと取り組むとともに、「成長戦略」の実現に向けて、神奈川から経済のエンジンを回す『かながわ成長戦略実現予算』として編成したところです。
具体的には、地震等災害対策や待機児童対策、3つの特区を活用したヘルスケア・ニューフロンティアの取組みなど、これまで重点的に取り組んできた施策を着実に推進いたします。

一方、介護・医療・児童関係費や公共施設の維持修繕コストの増加など、将来の歳出圧力が高まっていますので、財政健全化に向けた取組みも着実に進めていきます。
そうした中、「県債管理目標」で掲げたプライマリーバランスの黒字化については、4年前倒しで達成することができました。
平成27年度当初予算は、財政健全化に取り組みながら、神奈川から経済のエンジンを回し、日本全体を元気にする、そういう考え方で編成したものです。
答弁は、以上です。

2 県経済の活性化について

(1)国家戦略特区について

国家戦略特区については、本県全域が東京圏の国家戦略特別区域の指定を受けてから、8月に本県独自の推進会議を開催し、その後、2回の国家戦略特別区域会議を経て、12月19日に東京圏国家戦略特別区域計画の認定を受けたところである。

そうした中、先月28日に、区域会議の分科会として「神奈川県健康・医療分科会」が開催され、知事からは、CHO構想の加速化に向けた提案を行い、さらに、横浜市や川崎市、事業者からも多くの提案がなされたが、今後大切なのは、これらの動きを区域計画の特定事業として、具体の形にしていくことである。

そこで、今般開催した「神奈川県健康・医療分科会」の成果をどのように受け止めているのか。また、新たな規制改革の提案を実現するために、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

県経済の活性化について、何点かお尋ねがありました。

まず、国家戦略特区についてです。

先般開催された「神奈川県健康・医療分科会」では、国から、小泉大臣政務官が出席し、本県をはじめ、関係自治体や事業者から出された、新たな規制改革に関する様々な提案について、活発な議論が行われました。

県からは、新たな規制改革項目として、健康・未病産業の創出を図るため、  CHO構想の加速化に向けた個人別の健康保険料率の設定などを提案しました。

さらに、最先端医療関連産業やロボット産業の創出に向けて、イノベーションの加速につながる特許の延長期間の適正化や、医療用ロボット普及のための活用可能施設の範囲拡大などを訴えました。

今回提案した内容や、国内外に発信している未病の考え方については、小泉政務官にも強く共感していただきました。規制改革を推進する政府と本県の目指す方向性は軌を一にしていると、改めて実感したところであります。

今後、規制改革の早期実現に向けて、こうした新たな提案が区域計画に盛り込まれるよう、国家戦略特別区域会議の場でしっかりと訴えてまいります。

そして、神奈川から経済のエンジンを回していくため、神奈川県自らが先頭に立ち、岩盤規制への挑戦を続けていくべきと考えております。

(2)ヘルスケア・ニューフロンティアの推進について

知事がヘルスケア・ニューフロンティアを提唱して約1年半、この間、最先端医療関連産業や未病産業の創出、イノベーションを支える国際的医療人材の養成など、様々な政策にスピード感を持って取り組み、実績を積み重ねてきた。

本県では、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向けた新たな取組を数多く打ち出しているが、今後も、企業や関係機関などと連携しながら、本県が主体となって、産業化を牽引していくことが重要である。

そこで、これまでの取組を踏まえ、ヘルスケア・ニューフロンティアが目指す新たな市場・産業の創出に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進について、お尋ねがありました。
本県では、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を加速化するため、本県が指定されている3つの特区を活用しながら、最先端医療関連産業と未病産業の創出に向けた取組みを展開しています。
まず、最先端医療関連産業については、大きな成長が期待されている再生・細胞医療分野の産業化に向けて、業界団体や国との連携を戦略的に進めていくことが重要と考えています。
現在、平成28年度当初の開設を予定している、ライフイノベーションセンターへの、産業化に向けた関連プロジェクトの誘致にも積極的に取り組んでおり、世界に先駆けた再生・細胞医療の「ショーケース」の実現を目指しています。
次に、超高齢社会において成長産業となり得る、神奈川発の未病産業の創出については、昨年発足させた「未病産業研究会」を軸に、ビジネスの種となるモデル事業を着実に実施しています。
今後、一つでも多くの成功例を神奈川から生み出せるよう取り組むとともに、10月に予定している「未病サミット」において、こうした取組みを国内外に積極的に発信していくべきと考えております。
さらに、最先端医療関連産業や未病産業の創出を実現するためには、イノベーションを実践する人材が不可欠であることから、医学はもとより、工学や経営学など複数の分野の幅広い知識を持つ、世界で通用する人材を養成していきたいと考えています。
現在、養成機関の設置形態や国内外提携先の選定など、早急に具体化を進めているところです。
これからも、こうした具体的な取組みを通じ、最先端医療関連産業や未病産業の創出などの取組みを加速化させていくことで、経済のエンジンを力強く回していくことができると思います。

(再質問)
ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向け、3つの特区を最大限に活用し、経済のエンジンを回していくということは理解できました。
再生・細胞医療分野は、社会的なニーズも高く、飛躍的な成長が期待されているところであり、また、新たな市場となる未病産業についても、強い期待をもって見守っていきたいと思います。
そうした中で、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現に向け、本県が指定されている特区を、どのように活用していくのか、そういう考え方をお伺いさせていただきます。

(知事答弁)
繰り返すまでもありませんが、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区、そして、さがみロボット産業特区、神奈川県全域を対象とした国家戦略特区、この3つの特区が、今、神奈川県が認められているわけでありまして、一つの県で、このような特区が指定されているというのは、首都圏では神奈川を除いて他にはありません。これは、県内の経済の活性化にとって大変大きな優位性であるというふうに考えております。
現在、京浜臨海部の特区の象徴的なエリアであります殿町地区、これを、最先端医療分野のゲートウェイとしまして、川崎市と連携しながら、国内外に発信しているところであります。
また、さがみロボット産業特区では、実際にロボットが利用される環境において開発や実証を行うなど、介護・医療ロボット等の実用化に取り組んでいるところであります。
特に、この研究開発の中でも、出口戦略と呼ばれる製品化、そこに早く繋げるような、特別な規制緩和を行えるような特区になっているところであります。
さらに、この全県が指定されている国家戦略特区におきましては、今、この区域会議の分科会である「神奈川県 健康・医療分科会」におきまして、新たな規制改革に関する議論をしっかりと行っているところでありまして、この区域計画に盛り込まれた事業というものを、着実に実施していくことが重要であると考えているところであります。
こうした取組みを通じまして、神奈川の取組みが国内のみならず世界のモデルとなるよう、これまで培ってきた国際的なネットワークも活用しながら、取組みを進めていきたい、そのように考えているところであります。

(3)さがみロボット産業特区について

政府の日本経済再生本部において「ロボット新戦略」が決定されたが、日本を世界のロボットイノベーション拠点にするとともに、世界一のロボット利活用社会にするとし、実証実験のための環境整備や人材育成に加え、普及に向けた規制緩和や新たなルールの構築など、多岐に渡る取組が盛り込まれている。
「ロボット新戦略」が決定した今、大切なのは、本県が、いかに早く新戦略に 沿った対応をしていくかにある。国からアクションプランが示されたことにより、全国各地でのロボット産業振興の取組は、さらに活発化していくものと予想され、それらとどう差別化を図っていくかが鍵となる。
そこで、国から示された「ロボット新戦略」を受け、本県の「さがみロボット産業特区」の取組をさらに加速させるために、今後どのような対応を行っていくのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、「さがみロボット産業特区」について、お尋ねがありました。

国の「ロボット新戦略」を受けた「さがみロボット産業特区」での対応についてです。
今般の「ロボット革命実現会議」の議論で、私が最後までこだわったのは、「革命」という言葉です。

「本当に、革命の名に値するプロジェクトは起こせるだろうか」といった視点で意見を投げかけつつ、慎重な姿勢を崩さない省庁に対しては、時に、厳しく批判もしました。
その結果、「ロボット新戦略」では、従来の枠にとらわれない柔軟な発想で、車や家など、生活環境そのものがロボットになっていくという方向性が打ち出されました。

また、「介護ロボットの介護保険適用」については、3年に1度しか行なわれていない見直し手続きに対し、私から「時代錯誤だ」と厳しく改善を求めたところです。これを受けて新戦略では、随時で適用申請を受け、追加もしていくこととなるなど、様々な規制や手続きの緩和が盛り込まれました。
こうした一連の議論を注視していた複数の企業から、現在、本県と組んで介護保険適用を申請したいとの話が来ています。今後は、そうした企業と連携して厚生労働省に当たることで、早期の適用を目指してまいります。

また、新戦略では、「ロボット実証実験フィールドの整備」が位置づけられ、現在ある実証フィールドとして「さがみ」が例示されています。

そこで、本特区の実証フィールドの取組や、「さがみ」での実証の有効性・優位性を関係省庁にアピールしつつ、国の実証プロジェクトを誘致するなど、タイアップも模索しているところです。

わが国の「ロボット新戦略」を真に実効性のあるものにしていくためには、「さがみロボット産業特区」の取組が大きな鍵を握っています。引き続き、神奈川県が「ロボット革命の実現は神奈川が担う」という思いで、邁進していくべきと考えております。

【要望】
要望の二点目は、「さがみロボット産業特区」についてであります。
先ほど知事から革命という言葉に拘ったとありましたけれども、今回、ロボット新戦略に位置付けられた様々な取組みを「さがみロボット産業特区」に積極的に取り込むことで、生活支援ロボットの実用化を図り、本県経済の活性化に繋げていただくことを要望いたします。

(4)エネルギー政策に関する4年間の総括と今後の取組について

知事は、福島第一原子力発電所の事故で失われた電力を補うために、中長期的なエネルギー政策として「かながわスマートエネルギー構想」を提唱した。

昨年4月には、「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」に基づき、それまでの取組実績と情勢の変化を考慮して、「かながわスマートエネルギー計画」を策定し、新たに薄膜太陽電池普及拡大プロジェクトなどに取り組んでいる。

今年度は、知事の任期の最終年度であり、エネルギー政策について総括する必要があり、また、最近のエネルギー情勢を巡る新たな課題に対応するため、今後の取組の方向性を示していく必要がある。

そこで、これまで進めてきた4年間のエネルギー政策について、どのように総括しているのか。また、現在のエネルギー情勢を踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)
次に、エネルギー政策に関する4年間の総括と今後の取組について、お尋ねがありました。まず、4年間の総括についてです。私は、知事に就任した直後の県議会で、喫緊に求められていることは、「原子力発電所の事故で失われた電力を早急に補うこと、そして、原子力発電に過度に依存しないエネルギー体系を早急に作ることではないか」と訴えました。その後、平成23年9月に「かながわスマートエネルギー構想」を提唱し、「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の3つの取組を進める中で、特に太陽光発電の普及拡大に重点的に取り組んできました。まず、設置費用を売電収入等で回収し、実質的な負担ゼロを目指す「ソーラーバンクシステム」を立ち上げました。また、発電事業者に屋根を貸してソーラーパネルを設置する「屋根貸し」ビジネスモデルを、全国に先駆けて県有施設に導入しました。こうして、常に先頭に立って新たな取組を発信し、太陽光発電の普及を図ってきた結果、県内の導入量は、昨年度末までに62.4万キロワットに達し、3年間で約5倍の伸びとなっています。 

 

 

 

 

さらに、昨年4月に策定した「かながわスマートエネルギー計画」では、火力発電等の「集中型電源」から、太陽光発電等の「分散型電源」への転換を図り、エネルギーの地産地消を目指すことにしました。

太陽光発電の急速な普及に伴い、昨今、一部の電力会社が電力系統への接続を制限しましたが、エネルギーを地産地消すれば、電力系統に大きな負荷はかかりません。今回の事態を見て、我々が目指してきた方向性が正しかったと改めて確信したところです。

このように、4年間のエネルギー政策については、高い目標を掲げ、新たな挑戦を続けてきたことにより、エネルギー革命の流れを全国に発信するとともに、目指すべきエネルギー体系への道筋を、しっかりと示すことができたと考えています。

次に、今後の取組についてです。

東日本大震災による電力需給のひっ迫状態は解消されましたが、分散型エネルギーシステムを構築しなくては、本当に危機を乗り越えたとは言えません。

そこで、分散型電源を更に拡大するために、様々な建物や施設への薄膜太陽電池の導入や、発電出力が安定しているガスコージェネレーション等の導入を促進します。

また、太陽光発電が一層普及し、発電設備の設置費用が年々低下していくと、その費用が電力会社に支払う電気料金より安くなります。そうなれば、発電設備を設置して自家消費することが主流になります。

そして、エネルギーを自給自足する自立型の住宅やビルが普及し、さらに、住宅や事業所で余ったエネルギーを地域で融通することにより、エネルギー自立型の街、スマートタウンが実現します。

こうして、分散型エネルギーシステムによる新しい社会の姿を、神奈川からいち早く世界に発信し、エネルギー革命を強力に推進していくことができると確信をしております。

(5)今後の産業振興の方向性について

本県の産業は、これまで日本の経済成長をリードしてきたが、経済のグローバル化や産業構造の転換など、取り巻く環境が大きく変化しており、一致団結して県内企業を支援することが重要である。
県内中小企業の優れた技術を支えてきた神奈川県産業技術センターについては、平成25年9月に「神奈川県産業技術センターあり方有識者会議」から出された提言において、機能面の更なる充実を図り、中小企業支援の中心的役割を果たしていくことが必要とされ、また、そうした機能を果たすため、公益財団法人神奈川科学技術アカデミーと統合し、地方独立行政法人化すべきとされた。
そこで、急激に進む産業構造の変化を踏まえると、県内産業の成長に資する企業への支援のあり方などについて、有識者からの提言を踏まえつつ、時代の要請に合った形で見直すことが必要と考えるが、見解を伺いたい。

(知事答弁)
次に、今後の産業振興の方向性と企業支援のあり方について、お尋ねがありました。県経済のエンジンを回すためには、長い間、日本経済の牽引役ともなってきた本県製造業の活性化が重要です。
そこで、本県では、国家戦略特区など、3つの特区を中心に、成長産業の創出・育成を図るとともに、中小企業の競争力強化につながる総合的支援を行ってきました。そうした取組をさらに加速させ、確たる成果につなげるためには、科学技術面での知見や発見を活かし、新しい「モノ」や「価値」を生みだす、イノベーションの創出が必要です。
そのためには、「基礎研究から事業化までの一貫した支援」を行っていくことが、より重要になってきます。
そこで、中小企業を中心としたオープンイノベーションや、技術支援、製品化支援に取り組んできた産業技術センターと、光触媒など、先端分野の基礎研究に取り組む神奈川科学技術アカデミーを統合した、「新たなイノベーション創出支援機関」の創設を検討しています。
この新たな支援機関は、地方独立行政法人とし、組織や財政面での自由度を高め、県の施策も反映できる体制にしたいと考えています。
そして、革新的な技術や製品が、ここから続々と生み出し、県内経済が成長に繋がっていくに違いないと思っております。
 
(再質問)
産技センターとKASTの統合・独法化を行なうことにより、これまで、それぞれの機関が担ってきた機能はどのように強化され、本県の産業振興に、どのような効果が期待されるのか。独法化することで採算重視の経営となってしまい、これまで担ってきた中小企業への支援などの公的役割がおろそかになってしまうことがないか、若干危惧するところである。
そうした公的役割を今後も遂行していくために、今後、県としてどのように関与していくのか。(知事答弁)新たな支援機関では、産業技術センターとKASTの両者の強みを一体化しまして、県内中小企業への支援をより強化していきたいと考えております。
具体的には、KASTが担ってきた基礎研究から、産業技術センターにおける実用化研究、製品化・事業化まで一貫して支援することになりますので、事業化のスピードアップが図られるということだと思います。
また、金属加工など、実践的な技術の習得や、大学との連携による先端領域に重点を置いた教育を行うことで、幅広い視点を持った若い技術者の育成等にも取り組んでいけると思います。こうした相乗効果によって、本県の産業振興が加速するものと考えております。
もうひとつの質問としまして、公的役割といったものを今後追求していくために、県としてどう関与していくのかという質問でありました。
地方独立行政法人は、設立団体であります県が、議会の議決を経て定めることとなる中期目標に沿って運営されることになります。
したがいまして、新たな支援機関では、中小企業からの技術相談や依頼試験への対応のほか、新商品開発支援など、これまで県が担ってきた役割に、しっかり取り組んでもらえるものと考えております。【要望】
今後の産業振興の方向性についてでありますが、産技センターとKASTが統合・独法化することで、県内中小企業の技術力向上や競争力強化、ならびに、若い技術者の育成や技術の継承等に繋げていくという考えは理解するものの、現在、現場で働いている方にとっては、様々な不安もあると思います。今後も丁寧に説明しながら進めていただきますよう要望します。
 
(6)建設事業の入札制度の改善について

昨年6月、建設産業のいわゆる担い手三法が成立し、本年1月末、国が「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、品確法に基づく運用指針を策定するなど、「建設産業の担い手の育成・確保」に向けた具体的な対策が来年度に向けて動き出している。
改正品確法の理念であり、県民の安全・安心を守る担い手である建設業者を中長期的に育成・確保していくための対策を、本県においても早急に進めていく必要がある。「公共工事におけるダンピング対策の強化」でもあり、改正品確法において発注者の責務に掲げられた「担い手の適正な利潤の確保に配慮した取組」の実現に向けては、最低制限価格制度のさらなる改善も必要と考えている。
そこで、「建設産業の担い手の育成・確保」の取組を加速させるため、来年度の本県の入札・契約制度の改善について、どのように対応していこうと考えているのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、建設事業の入札制度の改善について、お尋ねがありました。

建設産業の「担い手の育成・確保」に向けた、入札制度の改善にあたっては、「企業努力の適切な評価」とともに、法改正により発注者の責務とされた「適正な利潤への配慮」の2つの視点が重要と考えています。

そこで、まず、「いのち貢献度指名競争入札」については、企業努力をよりきめ細かく評価するなど、運用を一部見直し、本年4月から全庁で展開します。

次に、本県では、ダンピング防止のため、最低制限価格制度を採用し、本県独自の算定式により、工事ごとに、品質確保に必要な経費を見積もった上で、最低制限価格を設定しています。

設定にあたっては、上限を工事費の90%とし、運用していますが、平成25年11月に算定式を見直したため、この1年間、運用状況を検証してきました。

その結果、算定上、上限を超える工事が、全体の約3割にも達しており、このまま制限し続けることは、「品質確保」や「適正な利潤への配慮」という趣旨を損ねることになります。そこで、来年度から、算定結果どおりの設定とするよう、90%の上限を撤廃します。

県は、こうした入札制度の改善により、「担い手の育成・確保」を促進し、「経済のエンジン」がより一層回る好循環に、しっかりとつなげてまいります。

答弁は以上です。

(要望)

我が会派が昨年9月の代表質問で要望したとおり、本年4月から「いのち貢献度指名競争入札」を全庁展開することと併せて、今回、最低制限価格制度の改善として、工事における最低制限価格の上限の撤廃を、全庁レベルで県として実施するという、知事の英断は、高く評価したい。

こうした対応は、建設業界の実情や、品確法の改正の趣旨を、知事がよく理解して、「担い手の育成・確保」に向けて、本気で取り組んでいこうという、その意気込みを感じました。

今後も引き続き、建設業界の「担い手の育成・確保」のために、工事及び工事系委託の入札制度に関し、「終わることのない、不断の改善」に取り組んでいただき、地域全体の経済の活性化につなげていただくよう、要望します。

 

3 県政の重要課題について

(1)神奈川県手話言語条例について

昨年12月の第3回定例会において、神奈川県手話言語条例が我が会派と公明党、県政会による議員提案として全会一致で制定された。
条例の検討にあたっては、議員有志による検討会議を立ち上げ、当事者団体や事業者の意見を拝聴しながら度重なる議論を行い、視察し調査を行うなどさまざまな角度から条例案の検討を行ってきた。
条例の制定は、手話の普及等の取組を進めていく上でのゴールではなくスタートであり、本年4月の条例施行後は、県が、県民や事業者、さらには市町村と連携強化を図り、条例に基づき、福祉の範疇を超えた手話推進計画の策定に全庁挙げて取り組み、施策を具現化していくことが重要である。
そこで、議員提案された神奈川県手話言語条例が、全会一致で可決成立したことについて、どのように認識しているのか、また、今後、どのような取組を進めていくのか、見解を伺いたい。
(知事答弁)
県政の重要課題について、何点かお尋ねがありました。
まず、神奈川県手話言語条例についてです。
昨年5月に「手話言語条例」の制定を求める陳情書が県議会に提出され、6月の本会議でしきだ議員から条例制定についてのご質問をいただきました。
その際私からは、条例を定めることについて、しっかり議論をして県民の皆さんの理解を深める必要があると、お答えしたところです。
その後、議会の皆さんが精力的に議論を重ね、より多くの県民のご理解を得て、昨年11月の第3回定例会に「手話言語条例」を提案され、全会一致で可決されたことは大変すばらしいことだと思います。
私としても、こうしたプロセスを経て成立したこの条例の重みを受け止め、県としてしっかりと、取り組んでいかなければならないと考えています。
次に、今後の取組みについてです。
条例では、県は手話の普及等を推進する責務を負い、「手話推進計画」を策定することとされています。
この計画には、手話が日常的に使用され、耳の不自由な方、ろう者とそれ以外の方がともに共生できる社会の実現を目指すため、様々な分野での施策を位置づけることが求められています。
そこで、全庁を挙げて手話の普及等に取り組むため、庁内組織を早急に立ち上げます。また、条例施行後速やかに、ろう者などの当事者の方々や、県民、教育や産業労働等の分野の有識者による協議会を設立し、幅広いご意見を伺いながら計画を策定していくことになります。
そして、市町村とも連携して、計画の着実な推進を図ることにより、手話の普及が進んでいくものと思います。

【要望】
手話言語条例は今年の4月から条例施行がされ、今後は条例に規定されている手話推進計画の策定が始まることとなります。計画策定にあたっては県民の皆さまの意見を聞くことが規定されていますが、意見聴取にあたっては、当事者団体など幅広く意見を聞くとともに、市町村との連携も図りながら実効性ある計画を策定していただきますよう、要望いたします。

(2)子ども・子育て支援新制度について

県では、実施に向けての不安が関係者などに広がった状況を踏まえ、12月に知事と県内全市町村長との連名で国に対して財源確保に関する緊急要望を提出するなど円滑な実施に向けて取り組んできた。

こうした中、国は新制度を予定どおりこの4月からスタートすることとし、実施に必要な財源として5,100億円を確保し、さらに、既存の認定こども園が新制度へ移行した際の大幅な減収見込についても、公定価格の単価を見直すなどの対応が図られたが、新制度のスタートを目前にして、円滑な制度移行ができるかどうかまだまだ不安を感じている関係者も多い。

そこで、国が発表した来年度予算案や公定価格の単価の見直しなどについて、県として、どのように受け止めているのか。また、目前に迫った新制度のスタートに向けて、どのように取り組んでいくのか、併せて見解を伺いたい。

(知事答弁)
次に、子ども・子育て支援新制度について、お尋ねがありました。
これまで国は、新制度の財源として、消費税率を10%に引き上げた場合の増収分のうち、7,000億円を充てると公表してきました。しかし、昨年秋、税率引き上げ時期を先送りすることとしたため、自治体や関係者からは、新制度の実施を巡って、「施設の運営に十分な財源が確保されるのか」といった不安の声が上がってきました。
そこで、県では、昨年12月19日に、私と県内全市町村長の連名で、新制度の財源について、国が責任を持って、確保することなどを求める緊急要望を行いました。
その後、国は、年明けに来年度予算案を閣議決定し、子育て支援の充実を図るため、新制度の財源として、5,100億円を計上しました。
さらに、2月には、保育所などに給付される運営費の算定根拠となる公定価格の単価が示され、それまで大きな課題となっていた大規模幼稚園の収入減への対応や、保育士等の人件費の改善が図られることになりました。
こうした国の対応は、新制度の財源確保をはじめ、公定価格の単価の見直しなど、これまで県が繰り返し要望してきたことが、概ね反映されたものと受け止めています。
しかし、市町村から保育所等への支払い手続きなど、新制度の運用面では、未だ詳細が明らかになっていない部分があり、準備に遅れが生じています。
県としては、今後も、国に対して、制度の具体的運用について、早急な提示を求めるとともに、市町村や施設への迅速な情報提供に努め、目前に迫った新制度の円滑な実施に全力で取り組んでまいります。

(3)今後の本県の防災対策について

阪神淡路大震災からちょうど20年が経過し、その間、わが国の防災対策は大きく前進したが、様々な自然災害の発生や新たな知見に基づく地震被害想定などを鑑みると、これからの本県は、新たな防災対策を展開していく時期に差し掛かっている。
また、東日本大震災の課題を踏まえ、平成24年度から今年度まで「市町村地震防災対策緊急推進事業」により、防災対策を推進する市町村に対して支援を行ってきたが、今後、新たな防災対策の観点から、一層の充実を図る必要がある。
そこで、次々と発生する大規模な自然災害や、新たな知見に基づく地震被害想定を踏まえ、今後、どのように防災対策を進めていくのか、基本的な考え方を伺いたい。
また、防災対策を実効性あるものにしていくため、市町村の取組をどのように支援していくのか、併せて見解を伺いたい。

(知事答弁)

次に、今後の本県の防災対策について、2点お尋ねがありました。
まず、防災対策の基本的な考え方についてです。
私は、東日本大震災の翌月に県知事に就任しました。当時から、被災地や被災者の支援を積極的に進めており、現在も、被災地への本県職員の派遣数は、全国最大の規模となっています。
また、学識者による検証委員会を設け、本県の地震防災対策を見直したほか、ビッグレスキューやシェイクアウト訓練なども、日本一の規模で進めています。さらに、県議会の皆様とも、本会議や委員会などの場で幅広い議論を積み重ね、「地震災害対策推進条例」を制定しました。
こうした取組に共通しているのは、「命を守ることを最も優先する」という考え方です。いかに県民の命を守るかという観点で、被害をできる限り軽減する「減災」に取り組むことが、防災行政の基本だと考えています。

現在、県では、地震被害想定調査を進めています。新年度は、新たな被害想定をもとに、被害を軽減する対策をまとめた「地震防災戦略」を策定します。この地震防災戦略に沿って、減災の効果が高い防災対策を優先的・計画的に進めてまいります。
次に、市町村の取組への支援についてです。
減災のためには、県民が自らの命を守る「自助」、県民や消防団、事業者が連携して助け合う「共助」も不可欠です。そこで、新年度の予算案では、総額3億円の「市町村減災推進事業費補助金」を創設し、市町村が進める、自助・共助の取組を支援します。
県と市町村が一体となって「減災」を進め、県民や事業者などとともに、県は、災害に強い神奈川を目指してまいります。

(4)県立がんセンターの重粒子線治療について

ア 重粒子線治療の治療方針・運営方法について

県民からの大きな期待が寄せられている重粒子線治療が、いよいよ本年12月から開始される。
治療してもらえる部位は限られるのか、患者が殺到し、何ヶ月も治療を待たされる状態にならないか、県民とそれ以外の患者について、県民の治療を優先するのかなど、運営方法や治療方針について、様々なことを決める時期であると考える。
真に必要な人が効果のあるときに治療を受けられるような仕組み作りが必要であり、これを明確にすべきであると考える。
そこで、重粒子線治療の治療方針や運営方法の基本的な考え方について伺いた

(知事答弁)

次に、県立がんセンターの重粒子線治療についてお尋ねがありました。

まず、重粒子線治療の治療方針・運営方法についてです。

本年12月の治療開始に向けて、治療方針や運営方法をしっかり定めておくことは重要です。

まず治療方針については、手術や化学療法、X線による高精度な放射線治療など、様々ながん治療とあわせ、重粒子線治療の効果が最も期待できる患者さんに最優先で治療していきます。

そのため、照射に関わる職員の資質向上と、医師との連携にしっかり取り組んでいきます。

また、治療部位については、他の先行施設で実績がある前立腺がんなどを対象とし、着実に成果をあげていきます。

他方、治療実績の少ない小児がんなどについては、臨床研究として取り組んでいきます。

次に運営方針です。患者さんについて県内外の区別はしませんが、県民の皆さんが受診する地域の医療機関などの紹介をいただき、受け入れてまいります。

今後、患者さんの専用窓口を設け、秋口を目途に受付を開始し、紹介元医療機関と連携して、できるだけ患者さんを待たせないよう円滑な運営に努めていきます。

こうした治療方針や運営方法のもとで、安全性を第一に考えながら、着実に重粒子線治療の効果を生むよう、県として引き続き支援してまいります。

イ 重粒子線治療の治療費について

県立病院機構が作成した第二期中期計画案は、今後5年間の県立病院機構の方向性や目標を示す重要な計画であり、県民生活への影響も大きいものがあるが、その中で県立がんセンターの重粒子線治療費は350万円と記載されている。

350万円の治療費は、誰もが容易に工面できるものではなく、治療を受けるにあたっては、患者の経済的負担が大きい。

また、先行施設よりも高い料金が設定されており、本当に想定されている患者を集めることができるのかという懸念もある。

そこで、重粒子線治療費の設定と患者見込数の考え方について伺いたい。

(知事答弁)

次に、重粒子線治療の治療費についてです。

まず、重粒子線治療の治療費については、来年度からの5年間の第二期中期計画期間内に、重粒子線の運用にかかる費用を治療費で賄うという考え方により設定しました。

次に、患者見込数ですが、安全性を確保しながら治療を行うため、段階的に増やしていく必要があります。

12月から治療を開始する平成27年度は、治療室1室で10名の治療を行い、28年度は2室に拡大し200名、29年度は全4室を稼動し、340名の治療を行う見込みです。

こうして、治療に関わる人員や体制を強化しながら、開業11年目の平成37年度以降は、年間880名の患者さんを受け入れることを見込んでいます。

がんセンターの重粒子線治療は、患部への照射の精度がより高い、最新の照射技術を採用しています。

また、すべての治療室にCTを設置し、照射箇所をより正確に確定するなど、他の施設以上の治療環境を整えています。

このように、最新で高度な治療を提供し、患者さんのニーズに応えることで、想定している患者数の受け入れを確保できるものと考えています。

(5)農業の新たな担い手の育成・確保について

農業の産業としての競争力を強化していくためには、多様な人材が活躍できる環境を整備し、6次産業化をはじめ、付加価値を高める新商品の開発や国内外の市場における需要開拓などを進めることが重要であるが、農業の担い手が減少し続け、農業従事者の脆弱化が進むことにより、新鮮で安全・安心な県内産農産物の安定供給が困難になるとともに、耕作できなくなった農地、耕作放棄地が多く発生し、県土が荒廃してしまうのではないかと危惧している。
農業の担い手の減少、高齢化の状況を踏まえれば、農家以外から参入してくる若者や女性、中高年者、さらには企業など意欲と能力のある多様な担い手を育成、確保していくことが重要である。
そこで、本県農業を支える新たな担い手の育成・確保について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたい。

(知事答弁)

最後に、農業の新たな担い手の育成・確保についてお尋ねがありました。
県内の多くの農家で後継者が不足する中、意欲ある若者や企業など新たな担い手を育成・確保していくことは重要な課題です。しかし、農家の後継者以外の方が農業に新規参入する場合には、実践的な農業技術の習得が必要なことや、収入が得られるまでに時間がかかることなどが壁になっています。
そこで県では、かながわ農業アカデミーにおいて、平成27年度から、農家後継者以外の方を対象に、「独立就農チャレンジコース」を新たに設けます。これは、新しく農業を始める時と同様に、経営プランの作成から販売までの作業を模擬的に体験するものです。
また、野菜は比較的短期間で収穫でき、収入が得られることから、より多くの学生が野菜栽培を学べるように実習ほ場を拡大し、就農後の早期の収入安定に繋げていきます。
さらに、農業アカデミーでは、企業等の農業参入にも力を注いでいます。これまでの「就農支援ワンストップサービス」に加え、今年度から積極的に企業に呼びかけ、企業参入の成功事例や課題など、参入の判断に役立つ情報を提供するセミナーを開催しています。昨年12月とこの1月に開催したセミナーには、合計54社の参加をいただき、その中には、具体的な参入の相談をいただいている企業もありますので、引き続き支援してまいります。
県では、今後も新規参入者のニーズに合せたきめ細かい支援を行うことで、本県農業の将来を支える新たな担い手の育成・確保に取り組んでまいります。私からの答弁は、以上です。

(要望)

この課題については、一朝一夕で解決はできない。新たに就農を希望する意欲ある若者や企業等に対して、農地中間管理事業の活用なども含め、しっかりと支援することで、かながわ農業を支える担い手の育成、確保を進めていただくことを要望する。

 

(6)治安情勢に応じた人的基盤の強化について

本県の刑法犯認知件数は、平成14年をピークに減少し、顕著な改善傾向にあるが、ストーカー事案やDV事案が多発し、昨年1年間の振り込め詐欺の被害総額は、これまでで最高の約42億円となるなど、依然として厳しい情勢にある。
さらに国際情勢では、イスラム過激派組織による邦人を巻き込んだ事案が発生するなどテロの脅威に直面していることを強く再認識する情勢の中、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、本県においても良好な治安を一層確固たるものとすることが求められている。
そこで、現下の治安情勢に対応すべく、県民が安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、警察官の増員に伴う組織体制の強化が重要と考えるが、見解を伺いたい。

(本部長答弁)

治安情勢に応じた人的基盤の強化についてお答えします。

はじめに県内の治安情勢です。

昨年の刑法犯認知件数は、戦後最多の19万件台を記録した平成14年の約4割まで減少させることができました。また、昨年の刑法犯の検挙率は、40.1パーセント、殺人、強盗などの重要犯罪の検挙率が、76.2パーセントといずれも他の大規模県と比較しても優れた実績を残したところです。

しかし、ストーカー・DV事案や振り込め詐欺を始めとした特殊詐欺など、子供、女性、高齢者が被害に遭う犯罪が多発するとともに、国際テロ情勢が一層厳しさを増すなど、依然として予断を許さない治安情勢であり、これらの課題に迅速かつ的確に対処することが急務となっております。